12月例会 ~これが経営力だ!~

やる気のある社員と、やる気のない社員――

程度の差はあれど、どんな会社にもいるのではないでしょうか。
経営者の理想としては、全ての社員が一つの目標に向かって全力で頑張るのが望ましいのですが、そうはいかないのもまた現実。
ではどうします?
やる気のない社員の首をスパッと切ってしまう?
確かに選択の一つとしてはアリかもしれませんが、賢い選択とは言えません。
やる気がないのであれば、その人のやる気のスイッチをONにすればよいのです。

さて、年の瀬も間近に迫ってきた12月19日。
藤本委員長率いる経営力委員会の12月例会、「これが経営力だ!」では、そんな職場における『社員のやる気の引き出し方』に焦点をあてて行われました。

藤本委員長の軽快すぎる挨拶から始まり、長田耕一会員と雨宮副会長によるストレッチで体をほぐして、いよいよ委員会メンバーらの寸劇を交えた本題に。

寸劇の舞台は、架空の会社「青工運送」。
三枝会員演じる「サエグサ社長」は、自社で開発した商品の売り上げを軌道に乗せようと、従業員の二人にも本業の傍ら営業をしてもらおうと考えました。
赤野会員演じる熱血社員「アカノさん」は、二つ返事で了承したものの、志村会員演じる社員「ユウくん」はあまりやる気が見えません。
そこで第一の設問、「貴方が社長の立場だったら、どのようにやる気にさせますか?」という内容で委員会ごとでディスカッション開始。
委員会テーブルでは、「社員とのコミュニケーションをとる」「商品の良さを知ってもらう」といった意見から、「給料を上げる」なんて意見まで出てきました。

ディスカッション終了後に行われた各グループ代表の発表の後、委員会メンバーによる、「悪い事例」と「良い事例」が演じられました。
「悪い事例」は、やる気のないユウくんに向けて、「給料下げるぞ!」と言い放つサエグサ社長。
...これではパワハラです。やる気が上がるどころか、益々下がる一方でしょう。
一方の「良い事例」は、ユウくんの言い分を聞きながらも、その言い分をプラス方向に転化することでやる気を引き出そうとするサエグサ社長。

――物語は続きます。

いよいよ二人の従業員も加わって営業に走りますが、アカノさんの売り上げは目を見張るものがありますが、ユウくんは惨憺たる結果――
そこでアカノさんは、ユウくんにアドバイスをしようとしますが...
ここで第二の設問、「どんなアドバイスをしますか?」のディスカッション開始。
委員会テーブルでは、やはり「商品の良さをアピールする」「自身が行っている様子を見てもらう」等々。

こちらも各グループの発表の後、今度は二人が、飯野会員演じる会社のCEOに向けて行った営業の映像が流れます。
ユウくんは、とにかく「買ってよ!」と一方的で、CEOが断ると「じゃあいいよ!」という態度。
...これでは誰も買おうとは思いません。それどころか態度の悪さを指摘されて、最悪出入り禁止になるかもしれません。
対するアカノさんは、世間話から入り、会社の状況を聞いた上で商品の良さを伝えます。
しかしそれでも悩むCEOに、更にお試し期間を設けるという太っ腹ぶり。
聞いているCEOも、「そこまで言うなら」と前向きになります。

と、ここで経営力委員会の保坂副委員長より、この二つのやりとりと設問についての説明が入りました。
どちらも異なる立場からユウくんにやる気を持ってもらう内容でした。
そして共通しているのは、ユウくんの現状をちゃんと聞いた上で、アドバイスをしているという点。
この両者には、それぞれ異なる立場の「リーダー」としての役割があります。
サエグサ社長は、会社という組織の長としての役割を持った「フォーマルリーダー」。
アカノさんは、肩書きこそないものの、他者への影響力を持った「インフォーマルリーダー」。
そして二人に共通していた、相手に合わせる「ペーシング」という手法。

最後にその後の「青工運送」の映像が流れました。
そこには事業も起動に乗り、職場には笑顔が溢れていました。

藤本委員長は言いました。
リーダーとして大事なのは、人を知ることと褒めること。
知ることでお互いを支えあってゆく事が出来るのだと。
褒めることで人はやる気が生まれるのだと。

ただ怒鳴る事や怒る事を「お前の事を思って厳しい事を言ってるんだ!」という人を、時折見かけます。
しかし、それは本当に相手の事を思っているでしょうか?
相手の言い分を「言い訳すんな!」と断じてはいないでしょうか?
コミュニケーションとは、相手に自分の言葉を一方的に押し付ける事ではありません。
そして、相手の言葉を遮る事でもありません。
相手が困っていれば、相手に寄り添って話を聞いて、その上でアドバイスをする。
仕事で失敗したときは、なぜ失敗したかを聞き、間違いを正す。
そうやってコミュニケーションを繰り返して行くことで、信頼関係が生まれ、仲間の絆は強固なものになるのです。

人を惹きつける力を「魅力」と言います。
そして魅力ある人の下には、多くの人が集まってきます。
それはなぜか?
集まってきた人はその人を心から信頼しているからではないでしょうか。
立場や肩書きを誇示せずに、しっかりと人の話に耳を傾けてくれるからこそ、その人の下には人が集まるのです。

青工会の例会といえば、これまでは経営者としての心構えや、財務に関するものが主でした。
そんな中、職場の人間関係に踏み込むという内容の例会に、驚きと新鮮さを感じずにはいられませんでした。
会社とは人の集合体であるからこそ、そこに集まる「人」に藤本委員長は着目したのです。
経営者である以上、会社と社員を同等に大切にしなければいけない。
だからこそ、藤本委員長の締め括りの言葉――「経営力とは、人の魅力だ!」――に、経営者と同時に、一人の人間としても更に磨きを掛けて行こうと思いました。


(文責:情報発信委員会 長田守礼)

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このブログ記事について

このページは、山梨青年工業会が2012年12月26日 23:28に書いたブログ記事です。

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