2012年11月アーカイブ

あなたにとって「ものづくり」とは?

佐野委員長率いるものづくり委員会が、この11月に行う例会は『「ものづくりは何か」というテーマを、会員の皆で考えてみようと』というものでした。

しかし、例会前の案内と同時に出された冒頭のお題を読んだ時に、私は頭を抱えました。
一見すればシンプルな問い掛けではありますが、実を言えばそこまで深く考えた事などありません。
日々の雑事に追われているから?
いえいえ、そんなことではありません。
なぜなら製造業を生業としている者にとっては、あまりに「あたりまえ」すぎる問い掛けだからなのです。
しかし、佐野委員長は敢えてその「あたりまえ」の問いを私達に投げかけてきました。

その真意はどこにあるのか?
そしてこの例会では「ものづくり」について何を話し合うのか?
更に言うなれば、製造業以外の人の考える「ものづくり」とは?
そんな疑問をもって、11月21日を迎えました。

場所は甲府商工会議所、201号室。
緊張した面持ちで佐野委員長が挨拶と説明を終えると、正面に置かれたスクリーンに『「もの」に対してのイメージを挙げて下さい』という設問が。
各テーブルのものづくり委員会メンバーの進行のもと、「製品」、「人」、「機械」などの様々なキーワードが出てきます。
それを踏まえたうえで、進行役のメンバーがこちらに更なる質問を投げかけ、私達も答えてゆく。
そんな調子で次の設問、『Made In Japanが世界で評価されている理由は?』では、
「細部へのこだわり」「使う人の立場に立った設計」といたキーワードが。
続く『日本の文化で、世界に誇れるものは?』で出たキーワードは、
「おもてなし」「思いやり」「譲り合いの精神」などなど。

「ものづくり」というたった一つのキーワードに対して、あらゆる視点から捉え、
あらゆる考えから導き出してゆく過程を踏んでゆく中で、
私自身も忘れかけていた事や全く気付かなかった事に触れる事で、
少しづつ自身の中の意識が改まってゆくのを感じました。

と、ここで室内暗転。
佐野委員長と新藤会員のちょっとした寸劇と委員会内のやりとりを撮影した映像。
この瞬間、佐野委員長がなぜこのような例会を考えたか、その真意が見えたのです。
それは「ものづくり委員会のメンバーの殆どが、非製造業の会員であること」でした。
製造業に携わっていない人からみた疑問。
ものづくりの現場では、どのような思いをもって日々作業に従事しているのか?
だからこそ、そんな「あたりまえ」な事に着目出来たのかも知れません。

明るくなったところで再び設問、『日本のものづくりとは?』
これまでの設問の中で、皆が答えてきた様々なキーワードを総合して考え、答え、発表された言葉には、グループ内では考えも及ばなかった「世界のものづくり」にまで広がって行き、最後の設問、『青工会のものづくりとは?』に進みます。
今までは会員個々人の考える「ものづくり」だったのに対して、最後は青工会全体を見渡したなかでの「ものづくり」とはこれ如何に。
とはいえ、これまでの過程を踏まえた形で出てくるのは、経営者としての「人」を作る事、様々な業種の間での「人脈」を作る事、と、またまた「あたりまえ」の結論に立つ私。

しかし、佐野委員長は違いました。
人も、人脈も、商品も、サービスも、全て愛があるからこそ出来るのだと。
青工会のものづくりとは、「愛」なのだと。
びっくりです。
でも、その言葉に異論などありませんでした。

かつてMade In Japanが世界を席捲した時代、日本製品が評価された理由には、細部までのこだわりや、使う人の立場に立って考え、作り上げてきたからに他なりません。
しかし現在、安く、早く、効率よく、そんな考えが蔓延してしまったがために、日本のものづくりに陰を落としてしまっているようにも感じられます。
だからこそ、今一度原点に立ち返って、自らの手を通して作るものには愛情を注いで、良いものを作って行こう、改めてそう感じました。

そして迷った時には、こう問いかけてみましょう。
自分にとって「ものづくり」とは?と。
(文責:情報発信委員会 長田守礼)

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