2013年1月アーカイブ

私たちは日本の起源を、神話を通じてしか知りません。そんなに大規模な単位でなくても、「山梨県」「甲府市」「自分が務める企業」など、私たちが日々を過ごす社会や組織の起源について、知識は持っていてもリアリティを持って実感するのは意外に容易ではありません。

山梨青年工業会は、1971年(昭和46年)、日刊工業新聞の山梨支局長であられた内山 敏氏が、県内の工業系中小企業経営者の交流の場の必要性を感じて提言し、その呼びかけに応えて10人の有志が立ちあげたのが、その歴史の始まりです。つま り、今年で41年目を迎える歴史ある団体です。しかし、我々現役の会員は、果たしてどの程度その歴史を、リアリティあるものとして実感できているでしょうか?

幸いなことに、私たち現役会員は、その「歴史の起源」の生き証人の方々に、直接お会いすることができます。発足の呼びかけを行った内山 敏氏は残念ながら昨年9月に逝去されましたが、鈴木英太郎初代会長をはじめ、創成期を支えた先輩方は、まだまだその多くがご健在であられ、青工会卒業生 (青工会は45歳で卒業となります)の組織である「シニアクラブ」のメンバーとして交流を続け、現役会員をあたたかく見守っておられます。

伊藤文人委員長率いる親睦連携委員会主宰の1月例会は、シニアクラブとの交流会と銘打たれ、1月16日(水)18:30よりKKR甲府ニュー芙蓉にて行わ れました。伊藤委員長が当日配布された冊子に寄稿したあいさつから抜粋するなら「昨今、会員が年々増えて行く青工会で会員が先輩方との交流が少ない中、現 在の青工会にご尽力いただいた先輩方と交流が必要と感じたからです。また、受け継いでいかなくてはいけない歴史なども多くあることを知ったからです」とい う想いが、この例会を実施する原動力となりました。

当日の夜、いつもの例会とはまた違う高揚感に包まれた会場。続々と入場されてくるシニアの方々。ほんの1年前に卒業されたばかりのなじみ深いシニアもい らっしゃれば、創成期を司った伝説的なシニアもいらっしゃいます。6つのテーブルに分かれて座ったシニアの方々を囲み、いささか緊張した面持ちを隠せない 現役会員。開会宣言、活動趣意書唱和、現会長、委員長あいさつといった通常の「例会セレモニー」も、"先輩方に見られている"という緊張感が漂っています。

しかし、それを見守るシニアの方々のまなざしは、厳しくもなんと暖かいのでしょうか。平成24年度シニアクラブ赤野玉明代表幹事のあいさつに全員身を引き締めて聴き入りつつ、この場への感謝と喜びのお気持ちの表明に、安堵感が広がります。

そして、赤野シニアと茂呂現会長が気持ちをひとつにしての鏡割りの儀式が、宴の始まりを高らかに告げ、心地よい打撃音がシニアと現会員の間の「遠慮の壁」 も壊したかのように、楽しい歓談の時間の始まりです。

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料理を食べることも後回しにして、ビール瓶と名刺片手に会場を回り、シニアの皆さんにあいさつし語り あう現会員たち。しかしそこには、お仕着せの儀礼の空気はかけらもなく、歴史を創ってきた先輩方のお話を聴きたいという純粋な気持ちだけがあります。喜ん で杯を受け、楽しげに笑い談笑されるシニアの方々。そして、鈴木英太郎初代会長のあいさつを皮切りに、青工会黎明期の歴史が数々の先輩方から次々と語られ ます。貴重な証言の数々の中には、古守三郎第4代会長(古守第40代会長のお父様)からの、青工会マークの由来(製造業を表す「歯車」と、「人」「富士 山」をイメージした図像の組み合わせ)があり、また、活動趣意書を策定した立澤眞一第30代会長からの、氏自らが作詞作曲された会歌『輝ける未来に向かって~Bright Future~』の解説もありました。

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いずれも歴史的事実として、知っている現会員も少なからずいるとはいえ、実際にそれを創った方々の生の証言として聴 くのは格別な体験でした。そして先輩方は異口同音に、当初小さな組織として始まった青工会が、40年以上の歴史を刻み、異業種の仲間たちもたくさん増やし た大きな組織に成長し、その熱気が失われていないことを喜ばれていたのは実に感慨深いものがありました。しかしそれは、シニアの方々の創った歴史の基盤が あるからこそ成し遂げられたものなのです。気がつけば「2世」の会員も大いに増えている、というシニアの呼びかけに応え、「初代」と「2世」の会員が舞台 上に勢ぞろいする一幕も(司会の大役を務めた塩釜会員も、シニアとして出席されたお父様と肩を並べていました)。

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宴の後半には、色紙に今年の目標を漢字一文字で記した「一筆書」をシニアと現会員が互いに発表しあうという親睦連携委員会が仕掛けた楽しい一幕もあり、歓談はますます盛り上がります。しかし楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。次年度の代表幹事である塩釜悦男シニアのごあいさつを経て、鈴木代表幹事から 茂呂会長への活動補助金の贈呈があり、交流会はひとまずの締めくくりとなります。しかしこれでシニアはご退出、とはならず、会員誕生祝い、依頼報告事項、 幹事講評と続く閉会セレモニーにも引き続きご出席いただきます。同じ「青工会」の仲間として...。最後に全員で会歌を高らかに斉唱、閉会宣言の後に全員で写 真撮影を行い、例会は幕を閉じたのでした。しかしながらその後も、名残惜しくあちこちで語りあうシニアと現会員の姿があちこちに見られたことは申し上げるまでもありません。

伊藤委員長はじめ親睦連携委員会の「想い」がみごとに結実した1月例会。全員に配布されたオリジナル・デザインの例会冊子は、貴重な証言の数々が載った永久保存版です。「歴史」の重みとそれを受け継ぐ「誇り」と「責任」を胸に刻み、シニアの方々への感謝の念と共に、私たち会員は新たな歴史の一歩を歩んでゆ きます。

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(文責:情報発信委員会・矢澤孝樹)

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